老朽化による劣化や、防犯性の向上、デザイン変更など、リフォームの理由は様々です。
中でもカバー工法は、既存の枠を活かすため、工期が短く費用を抑えられると注目されています。
しかし、本当にすべての玄関ドアにカバー工法が適用できるのでしょうか?
今回は、玄関リフォームにおけるカバー工法について、メリット・デメリット、適用できないケース、代替案などを詳しく解説します。
Contents
玄関リフォーム、カバー工法とは何か
カバー工法の特徴と仕組み
カバー工法とは、既存の玄関ドア枠を撤去せずに、その上に新しい枠を取り付けてドアを交換する方法です。従来の工法のように壁や床を壊す必要がないため、工期が短縮され、費用も抑えられることが大きなメリットです。
新しい枠は既存の枠にぴったりと被せるため、仕上がりも比較的綺麗です。
カバー工法を選択するメリット
カバー工法のメリットは主に以下の3点です。1: 工期の短さ
工期が短く、多くの場合1日で完了します。
そのため、生活への影響を最小限に抑えられます。
2: 費用が安価
壁や床を解体しないため、費用が従来工法に比べて安価です。
3: 近隣への影響が少ない
騒音や粉塵が少ないため、近隣への配慮もできます。
カバー工法を選択するデメリット
カバー工法には、いくつかのデメリットも存在します。1: サイズの制限
新しい枠を取り付けるため、ドアのサイズが若干小さくなることです。
幅や高さは数センチ程度小さくなる場合があり、事前に確認が必要です。
2: 段差が生じる可能性
下枠部分に段差が生じる可能性があることです。
段差は転倒リスクにつながるため、段差解消材などを検討する必要があるかもしれません。
カバー工法の費用相場
カバー工法の費用相場は、ドアの種類や機能、使用するメーカーによって異なりますが、一般的には25万円~40万円程度です。具体的な費用内訳は、既存ドアの撤去費用、新しいドアの代金、施工費用などに分かれます。
高機能なドアや特殊な仕様を選択する場合は、費用が上がる可能性があります。
玄関リフォームでのカバー工法の適否と代替案
カバー工法ができないケース
カバー工法は、すべての玄関ドアに適用できるわけではありません。既存のドア枠が著しく劣化している場合や、ドアのサイズを大きく変更したい場合、マンションなどの共用部分に該当する場合などは、カバー工法ができない可能性があります。
また、玄関の構造によっては、カバー工法が適用できないケースもあります。
玄関ドアのサイズ変更について
玄関ドアのサイズを大きくしたい場合は、カバー工法ではなく、既存の枠を撤去し、開口部を広げる工事が必要になります。この場合、壁や床の改修も伴うため、工期と費用はカバー工法よりも大幅に増加します。
逆に、大幅にサイズを小さくする場合もカバー工法は難しい場合があります。
マンションでのリフォームについて
マンションの場合、玄関ドアは共用部分に含まれることが多く、リフォームには管理規約の確認と管理組合の許可が必要となります。カバー工法であっても、許可が下りないケースがあります。
事前に管理規約をよく確認し、リフォーム計画を立てましょう。
カバー工法以外のリフォーム方法
カバー工法以外には、既存の枠ごと撤去して新しい枠を取り付ける「はつり工法」があります。はつり工法はカバー工法よりも費用と工期がかかりますが、ドアのサイズ変更やデザインの自由度が高くなります。
また、ドア枠のみを交換する簡易的なリフォーム方法もあります。
はつり工法の特徴と費用
はつり工法は、既存のドア枠を完全に撤去するため、カバー工法よりも大掛かりな工事になります。その分、デザインやサイズの自由度が高く、より理想的な玄関ドアを実現できますが、費用はカバー工法よりも高額になる傾向があります。

まとめ
玄関リフォームにおけるカバー工法は、工期が短く費用を抑えられるメリットがありますが、適用できないケースもあります。ドアのサイズ変更やマンションでのリフォーム、既存枠の劣化など、カバー工法が難しい場合は、はつり工法やドア枠のみの交換など、他のリフォーム方法を検討する必要があります。
リフォーム前に、専門業者に相談し、最適な方法を選択することが重要です。
費用や工期、デザイン性などを総合的に考慮し、ご自身の状況に合ったリフォーム計画を立てましょう。
それぞれの方法の特徴を理解し、専門家のアドバイスを得ながら、最適なリフォームを実現してください。