高齢者や介護が必要な家族を持つ方々、あるいは将来的に介護が必要になるとお考えの方々にとって、住まいの設計は重要です。
特に、トイレは日常生活で頻繁に利用する場所であり、その設計は慎重に行わなければなりません。
この記事では、介護しやすいトイレの間取りやトイレドアについて解説します。
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□介護しやすいトイレの間取りは?
通常のトイレの広さは、戸建て住宅で1畳程度が一般的であり、具体的なサイズは幅80〜90cm、奥行き160〜180cmとされています。しかし、介護が必要な場合、この一般的な寸法では不十分なケースが多いのです。
そのため、各家庭の状況に適した広さが求められます。
*自力で歩行・排泄が可能なケース
杖をついて自力で歩行・排泄が可能な場合、寸法自体は通常のトイレと同じくらいで問題ないでしょう。ただ、便座の前には最低でも60cm程度のスペースを確保したいところです。
このスペースがあれば、立ち座りがスムーズに行え、安全性も高まります。
また、タンクレストイレを採用することで、前方にさらなるスペースを確保できるでしょう。
*車いすを使用するケース
車いすを使用する場合、ドアの開口部も含めて幅80cm以上、奥行き160cm以上が最低でも必要です。可能であれば、幅90cm以上、奥行き180cm以上の広さが確保したいところです。
*介助者が同伴するケース
介助者が同伴する場合、介助者が動きやすいように、幅・奥行きともに160cm以上、2畳程度の広さが望ましいです。便器の後ろや横、入り口から便器までの距離も、介助者が介助しやすいように十分なスペースを確保することが重要です。
□安全かつ省スペースなトイレドアの設置方法
トイレのドアは、安全性を最優先に考えると、外開きが鉄則です。実は、家の中で高齢者の方がお亡くなりになる場所として、 トイレは浴室に次いで多い場所です。
高齢者の方が倒れてドアにもたれた場合、内開きだとドアが開かず、救助が遅れる可能性があります。
しかし、外開きドアは廊下を歩いている人に当たる危険性があります。
この問題を解決するためには、トイレの奥行きを1365mm(4.5尺)にすると良いでしょう。
また、中折れ戸を使うというのも有効な方法です。
□まとめ
介護しやすいトイレの間取りを実現するには、広さだけでなく、使用する方の状況に応じて考える必要があります。自力での移動が可能か、車いすを使用するか、介助者は必要かといったことを考慮するようにしましょう。
また、ドアの選択にも工夫が求められます。