ヒートショックは、浴室や脱衣所などで急激な温度変化により引き起こされる健康被害の1つです。
年齢問わず、命に関わる重度のケースもあり、事前の準備と正確な情報が必要です。
そこで、今回の記事では、ヒートショックの症状や緊急時の対処法と、あらかじめできる予防策についてご紹介します。
□ヒートショックが起きたらどうする?
1:軽度のヒートショックの場合
軽度の症状は、比較的短期間で収まるものが多いです。
一般的にはめまいや立ちくらみが主な症状ですが、他にも一時的に意識が遠のいたり、全身が熱く感じられたりする場合があります。
これらの症状は急激な血圧変動から起こり、浴室のような狭い場所で倒れると転倒や打撲を起こすリスクが高まります。
そのため、異変を感じたらすぐにその場で休むことが大切です。
また、症状が軽くなっても再び立ち上がるのは控え、十分に安静にした後に様子を見ましょう。
症状が改善しない場合や長引く場合は、#7119(救急安心センター)への相談や119番通報を検討し、早急な医療サポートを受けることが重要です。
2:重度のヒートショックの場合
重度の症状には失神、激しい頭痛・胸痛・四肢の麻痺・吐き気や嘔吐、ろれつが回らないなど、命に関わるものが含まれます。
これらは血圧の急激な変動により起こり、脳や心臓への血流が不足することで生じます。
特に失神の場合、浴室で倒れたまま浴槽内にいると溺水のリスクが高くなり、窒息や低体温症の危険があります。
そのため、周囲の方は助けを呼ぶと同時に、本人を浴槽から出し、安全な場所で頭を水平に寝かせ、顔を横に向けて嘔吐物による窒息を防ぎます。
重度の症状の場合は迷わず119番通報し、救急隊員の指示に従いながら安全に待機することが必要です。
□ヒートショックが起きる前にできること
1:寒暖差をなくす
浴室や脱衣所・トイレ・廊下などの部屋間で生じる寒暖差を減らすため、小型ヒーターを設置しましょう。
浴室の暖房器具も有効です。
難しい場合は湯船のフタを外して暖かい蒸気を充満させることをおすすめします。
2:食後・飲酒後の入浴を控える
食後や飲酒直後は血圧の変動が激しく、ヒートショックのリスクが高まります。
食後は1時間ほど空け、飲酒直後の入浴も避けてください。
3:声掛けを心がける
ヒートショックが起こりやすい人は入浴前に周囲に声掛けを行い、入浴中も安否確認するようにしましょう。
事前に救急連絡内容をメモしておくと、いざというときに役立ちます。
□まとめ
ヒートショックのリスクを低減するためには、事前に安全な環境を整え、正確な情報を共有することが重要です。
症状が出た場合、適切な対処法と緊急時の連絡方法を理解しておくことで迅速な対応を行えます。
今回の記事を参考に、日常的に防寒対策や適切な入浴方法を心がけ、安心して過ごせる環境を整えましょう。